楽器を売ろうと思ったとき、気になるのが「いくらになるんだろう」という点です。同じギターでも、思ったより高く売れることもあれば、ほとんど値がつかないこともあります。この差はどこから来るのでしょうか。買取価格を左右する主な要素を、いくつか見ていきます。仕組みが分かると、査定額に納得しやすくなりますし、少しでも高く売るためのヒントにもなります。
1. 楽器の状態
まず大きいのが、楽器そのものの状態です。傷や汚れが少なく、きれいに保たれているものほど高く評価されます。弦楽器なら反りやひび割れがないか、管楽器ならへこみやサビがないか、電子楽器なら問題なく動作するか、といった点が見られます。
見た目だけでなく、ちゃんと使えるかどうかも重要です。音が出ない、部品が欠けている、といった状態だと、修理が必要なぶん査定額は下がります。日頃の手入れや保管状態が、そのまま値段に表れる部分です。
2. メーカーとモデル
どこのメーカーの、どのモデルか、というのも価格を大きく左右します。有名メーカーの定番モデルや、人気の高いシリーズは、中古でも需要があるため値段がつきやすい傾向があります。
逆に、ノーブランドのものや、あまり流通していないモデルは、たとえ状態が良くても高くは売りにくいことがあります。自分の楽器のメーカー名と型番(モデル名)を調べておくと、おおよその相場感がつかめます。型番は楽器のどこかに刻印やシールで記載されていることが多いので、査定前に確認しておくとスムーズです。
3. 製造年・希少性
楽器は、新しいほど高いとは限らないのが面白いところです。もちろん新しくて状態の良いものは評価されますが、一方で「古いほうが価値が上がる」楽器も存在します。
特定の年代に作られたモデルや、すでに生産が終了している楽器、限定品などは、希少性から高値がつくことがあります。いわゆる「ヴィンテージ」と呼ばれるものです。自分では古くて価値がないと思っていた楽器が、実は探している人にとってはお宝、というケースもあります。古いからと諦めず、一度査定に出してみる価値はあります。
4. 付属品の有無
意外と見落としがちなのが、付属品です。購入時についていたケース、保証書、説明書、専用の付属パーツなどが揃っていると、査定額が上がることがあります。
特に、元箱や保証書が残っていると「大切に使われてきた」という印象につながり、評価されやすくなります。楽器本体だけでなく、買ったときに付いてきたものをできるだけ揃えておくと、少し有利になります。手放すと決めたら、関連するものを一通り探してみるのがおすすめです。
5. 市場のタイミングと需要
最後に、売るタイミングや、そのときの市場の需要も影響します。楽器にも流行りがあり、特定のモデルに人気が集まっている時期は高く売れやすくなります。また、新学期や年度替わりなど、楽器を始める人が増える時期は需要が高まることもあります。
ただ、こうした市場のタイミングを個人が正確に読むのは難しいものです。あまり神経質にならず、「売ろうと思ったときが売りどき」くらいに考えておくのが現実的だと思います。状態は時間とともに変わっていくので、迷っているなら早めのほうが有利なことも多いです。
査定額は、一社だけで判断しないのがコツ
ここまで見てきた要素を、買取業者は総合的に見て査定額を出します。ただ、同じ楽器でも業者によって得意分野や在庫状況が違うため、提示される金額には差が出ることがあります。
だからこそ、一社だけの査定で「こんなものか」と決めてしまうより、複数の業者に査定してもらって比べるほうが、自分の楽器の適正な価値が見えてきます。何が価格を決めるのかを知ったうえで、いくつかの査定を見比べてみる。それが、納得して手放すための一番の近道だと思います。