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使わない楽器を保管し続けると起きること

暮らし

「使ってはいないけれど、捨てるほどでもない」。そんな楽器を、なんとなく家の中に置き続けている人は多いと思います。押し入れ、クローゼットの上、部屋の隅。場所さえあれば、置いておくこと自体は難しくありません。

ただ、楽器は「置いておくだけ」でも、少しずつ変化していくものです。すぐに困るわけではないからこそ気づきにくいのですが、長く保管するうちに起きてくることがいくつかあります。手放すかどうかを考えるうえでも、知っておいて損はないと思います。

少しずつ状態が変わっていく

木や金属、革といった自然の素材でできている楽器は、時間とともに状態が変わります。特に影響が大きいのが湿度と温度です。

たとえばギターやバイオリンのような木製の楽器は、湿気の多い場所に置いておくと木が反ったり、接着部分が緩んだりすることがあります。逆に乾燥しすぎても割れの原因になります。管楽器は金属部分が錆びたり、内部にカビが生えたりすることもあります。電子楽器やアンプのような機材も、長く通電しないまま放置すると内部の部品が劣化していきます。

毎日使っていれば気づくような小さな変化も、しまい込んだままだと進んでいることに気づけません。久しぶりにケースを開けたら状態が変わっていた、というのはよくある話です。

買取価格が下がっていくことがある

状態が変わるということは、いざ売ろうとしたときの価値にも関わってきます。

楽器の買取価格は、状態の良し悪しで大きく変わります。同じモデルでも、きれいに保たれているものと、傷みやカビ、サビのあるものとでは、査定額に差が出ます。つまり「いつか売るかもしれない」と思って置いておいた楽器が、保管しているあいだに少しずつ売りにくくなっていく、ということが起こり得ます。

また、人気のモデルでも、時間が経つと需要が落ち着いて相場が下がることもあります。「高く売れるうちに」と考えるなら、状態が良く、需要があるうちのほうが有利なことが多いのです。

置き場所と気持ちを占め続ける

物理的な場所を取り続ける、というのも見落としがちな点です。楽器は意外とかさばります。ギター1本、キーボード1台でも、置いておけばそのぶん収納や部屋のスペースが埋まります。使っていないものが場所を占めていると、ほかのものを置けなかったり、部屋が片づきにくくなったりします。

それ以上に大きいのが、気持ちのほうかもしれません。「そろそろどうにかしないと」と頭の片隅で思い続けるのは、地味にストレスになります。見るたびに少しだけ気が重くなる、という経験をしている人もいるのではないでしょうか。使わない楽器は、場所だけでなく、心の中の小さな引っかかりも占め続けてしまうことがあります。

「保管」も一つの選択。ただし意識して選ぶ

ここまで保管のデメリットを並べてきましたが、保管すること自体が悪いわけではありません。思い出の詰まった楽器、また弾くつもりのある楽器なら、きちんと手入れをして保管するのは立派な選択です。湿度に気をつけて、ケースに乾燥剤を入れ、ときどき状態を見てあげれば、長く良い状態を保てます。

問題なのは、「なんとなく置きっぱなしにしている」状態です。手入れもせず、弾く予定もないまま、ただ場所を取っている。それなら、手放すことを含めて、一度きちんと考えてみる価値があります。

久しぶりにケースを開けて、状態を確かめてみるところから始めてみてください。まだ使えそうなら手入れをして大切に。もう弾かないなと感じたら、状態が良いうちに次の選択を考える。どちらにしても、「意識して選んだ」という状態にしておくことが、楽器にとっても自分にとっても、いちばんすっきりするはずです。

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